●Yes!プリキュア5GoGo!
【放送期間】2008年2月~2009年1月
●ストーリー(東映アニメーション公式HPより引用。)
ナイトメアが消滅し、平和な日常を送っていたのぞみたち5人。ある日、のぞみの元に一人の少年が現れ、謎の手紙を渡される。 『キュアローズガーデンで待っています…』手 紙の主「フローラ」は不思議なメッセージを残して消えていった。手紙はローズパクトに変わり、突然そこに新たな刺客が現れた!手紙を渡した少年は巨大な鳥のような姿になり、のぞみを乗せて飛び立ち、間一髪を逃れる。 新たな危機をココとナッツが再びのぞみたちの世界に駆けつけ、5人は新しい変身アイテム、キュアモで新たな プリキュアに変身! 5人は謎を解き明かすべく、キュアローズガーデンを目指す! |
●解説
2007年2月から2009年1月までオンエアされたYes!プリキュア5のセカンドシリーズとして、2008年2月から2009年1月までオンエアされたのがこの『Yes!プリキュア5GoGo!(以下P5GG)』。
初期プリキュアシリーズにおいて現在、シリーズ単独による続編でこの作品が最後となっている。
物語はのぞみ達がナイトメアとの戦いに勝利し、今まで通りに普通の日常を送っていた時に『甘井シロー』こと運び屋の少年と出会い、キュアローズガーデンの管理人 フローラ宛に手紙をもらったところから全ての始まりとなった。
一方、ココとナッツ、ミルクが澄むパルミエ王国も半分まで復興が進み、そんななかに次期国王となったココとナッによる戴冠式のセレモニーの最中に世界の宝を永久に保管目的として暗躍する秘密組織『エターナル』の襲撃を受け、パルミエ王国の周辺国の国王達が飛ばされてしまうという非常事態になってしまう。
その同時に、フローラからのぞみに託された『ローズパクト』は、その秘密組織エターナルの標的になってしまうというとんでもない事に巻き込まれてしまうが、再びのぞみ達の前に5つの光の蝶が現れ、新たなる変身アイテム『キュアモ』と新しい能力にマイナーチェンジ化されたプリキュアとなって再び戦う事になる。
このシリーズでエンドカードの右上部分に『プリキュア 5th ANNIVERSARY』という記念ロゴが付けられた。
これは放送5周年という意味ではなく、キャラクター誕生による5周年という意味合いで付けられたのだが、プリキュアシリーズにあまり知識のない雑誌やTVのメディア、ファンの間では『放送5周年』と誤解を招いてしまうという弊害も起きてしまったが、2014年のハピネスチャージプリキュア!では放送10周年記念として、ちゃんと正式に付けられている。
●ミントことこまち、アクアことかれんが継続された理由の真実…。
当初の企画段階では、こまちとかれんは前のシリーズを持って卒業し、新シリーズから新しいメンバーとして加入させるというMaxHeartと同じ処置を取られる事になっていた。
しかし、東映アニメーションの上層部からはその提案を却下されしまったという非常事態に陥り、やむを得ずにこまちとかれんも二年目も続投という『サザエさん時空』的な展開になってしまった事が一つの要因でもあった。
上記の設定が「今後のシリーズによる影響を及ぼしかねない。」と東映アニメーション、番組のメインスポンサーであるバンダイの判断で、次期作のフレッシュプリキュア!から『2年交代制度』から『1年交代制度』という形になってしまった。
●シリーズ初の有名タレントによるゲスト回の誕生…。
以降のプリキュアシリーズでは当たり前のように登場している有名人によるゲストエピソードもこのシリーズが原点で、P5GG第17話の『たむけん』ことたむらけんじ氏が初となり、以降にオードリー、FUJIWARA等のお笑い芸人やスポーツ選手、人気アイドル歌手なども登場するキッカケとなった。
●キュアブラックを上回るミルキィローズによる肉弾戦による戦闘力、そしてデメリット。
このP5GGでも追加戦士として登場したミルキィローズは、MaxHeartから追加された追加された新戦士であるが、元の正体はパルミエ王国のお世話役を勤めていたミルクが正体であったが、青いバラの力の覚醒で人間に変身できる能力を得た同時にミルキィローズへの変身能力まで手に入れたという特殊なケースであり、現時点で妖精がプリキュアに変身できたケースで、魔法つかいプリキュア!の追加戦士であるキュアフェリーチェとこのミルキィローズの2ケースでもある。
オープニングやビジュアルで登場していたが、その時点での戦闘力の高さは本編に登場するまでの間は情報解禁前であったが、初登場の10話にてその強さは、ナイトメアの幹部クラスであるブンビーさえも軽くひねってしまうほどの戦闘力で、この時点で肉弾戦による戦闘力でシリーズ最強とも謳われていたMaxHeartのキュアブラックを大きく上回ってしまったという驚異的なチート能力を得ることなる。
敵幹部クラス問わず、ボス級クラスでもあるエターナルのアナコンディ、劇場版P5GGに登場したムシバーンとの戦闘でも互角クラスで渡り歩いているのだから、この辺も以降のプリキュアシリーズのプリキュアメンバーであまりいない例でもあるが、ハトプリことハートキャッチプリキュア!のキュアサンシャインやキュアムーンライトはそのミルキィローズの肉弾戦による戦闘能力と防御面の高さ、高性能の必殺技を持つ高スペック系プリキュアの出現で、ミルキィローズの総合戦闘力も歴代3番目に入っても過言ではない。
最大のデメリットが必殺技『ミルキィローズ・ブリザード(またはミルキィローズ・メタル・ブリザード)』を使ってしまうと、一気にミルキィローズからミルクまで落ちてしまうというペナルティがあり、ミルクでの体力でもミルキィローズによる力は予想以上に消耗が激しいため、それをカバーを補うために肉弾戦による能力が高いという部分が裏付けられることであろう。
●前作より出番が大幅に減った、増子美香とその他の準レギュラー陣営。
ブンビーだけ優遇を受けているにもかかわらず、不遇に受けてしまった準レギュラーメンバーも多数いるが、そのなかでも前作5では猛威を振るった増子美香の登場も大幅に減ってしまったのが大きな代表例でもあるが、のぞみの母や父も一回も登場しなければ、前作うららのエピソードで父 ミッシェルと祖父 平蔵の台詞さえも登場しても台詞なしになってしまった。
●プリキュアシリーズオンリーのラジオ番組『CLUB ココ&ナッツ』の誕生。
プリキュアシリーズによるラジオ番組で、2014年から2015年春まで朝日放送のラジオ局、インターネット配信でオンエアされた『吉田仁美のプリキュアラジオ キュアキュアプリティ』が記憶に新しいが、プリキュアシリーズによるラジオ番組の始祖は2008年から2009年にアニメイトTVにて配信された『CLUB ココ&ナッツ』が最初となる。
メインパーソナリティーはココ役の草尾 毅とナッツ役の入野自由のお二人で、毎回プリキュア5による収録の裏話やゲストによる暴露話で大いに盛り上がっていた。
また、これらの内容をアーカイブズに的にラジオCDも発売された他、ボーカルアルバムも発売、若い女性ファンから大いに絶大の人気を得ることができたが、この時のプリキュア人気も大友による人気展開もそれなりに力を入れていたという部分もお解かりいただけるのだが、残念ながら現在はそれらの関するデータも入手が難しい部分もあるので要注意である。
●スタッフ
●プロデューサー
吉田健一郎
吉田健一郎
(朝日放送)
麻生一宏
麻生一宏
(ADK)
鷲尾 天
鷲尾 天
(東映アニメーション)
●シリーズディレクター
小村敏明
●シリーズ構成
成田良美
(代表作:ハピネスチャージプリキュア!)
●キャラクターデザイン
川村敏江
(代表作:スマイルプリキュア!、神のみぞ知るセカイ、うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ)
●色彩設計
澤田豊二
澤田豊二
●美術デザイン
行 信三
行 信三
●製作担当
坂井和男
坂井和男
●最近の再放送による動向…(2016年時点)
先に再放送されたのが、2010年6月に東京MXテレビにて週1で5話ペースによる驚異的な放送スピードでオンエアされたが、近年2014年に放送されたのも東京MXテレビで木曜と金曜の夜19時から週1ペースで2話ずつのオンエアしていた。
しかし、ハピネスチャージプリキュア!の再放送から放送体系が変更となり、週1ペースで1作品1話によるオンエア体系となっている。
東京MXテレビを皮切りに、北関東では群馬テレビ、とちぎテレビでも再オンエアされたが、逆に東京以外の南関東では一局も放送されておらず、現在も首都圏による鷲尾P時代のプリキュアシリーズ放映局は完全に全滅の一途を辿ってしまっており、これらの原因として、今の現行作や前作で育ってきた子供達は過去のプリキュアシリーズによる認知度があまりにも低いという見解も見受けられるのも本音であろう。
かつて、朝日放送の『ABC動画倶楽部』でも配信をしていたが、現在は残念ながら配信終了となり、東映アニメオンデマンドのみの配信となっている。
セルDVDも発売から大分経過しており、全購入となると入手が難しい部分もあるので注意してもらいたい。
●総評
前作の5による人気は絶大的に大きく、同時に以降のシリーズの大きな基礎の礎を作り上げいく起爆剤にもなったプリキュア5シリーズの続編 Yes!プリキュア5GoGo!はシリーズメンバー最大の6人拡充は成功したといっても過言ではなかったが、従来の準レギュラーキャラによる活かしきれなかったという弊害も起きてしまった。
これが仇となってしまったのかは不明であるが、同じニチアサ番組のメーテレアニメ、スーパー戦隊、平成ライダーシリーズと同じ放送期間に統一させる理由的として、メインスポンサーのバンダイによる販売戦略面が関わっているという裏の事情があるのは事実で、バンダイのP5GGによる年間売上高も前年度と同じ105億円という結果になってしまったが、それでも最低限のボーダーを保てたのは要因だったのかもしれない。
このシリーズを以て、鷲尾Pはプリキュアシリーズから一旦離れるのだが、2015年のゴープリで監修として採用され、以降のプリキュアシリーズを牽引することになる。