Zと同じ馬力、山本が手塩で手掛けたスペシャルR32。
R32スカイラインGT-R 秋川レイナ仕様
湾岸ミッドナイトにおいて、最高のチューンドのR32といえば、湾岸ミッドナイトが好きなファンなら100人中100人がレイナのR32を答えるファンは少なくはない。
悪魔のZと同じ600馬力だが、暴力的な馬力と絶対的な速さを追求するアキオの悪魔のZと対照的に、高出力なのにZやブラックバード以上の絶対的な安定性がそのスペックをみていこう。
レイナ仕様R32 GT-Rスペックを検証。
【注意】マシンのデータスペックは講談社刊から発売されたKCDX『湾岸ミッドナイト BIG TUNING』を元に参考し、一部管理人独自ででの見解を交ぜたデータとなります
●パワーユニット
基本的にRB26DETTで、RB26によるチューニングで一般的に高出力化に伴って2.8リッターへ排気量アップする事が多いのだが、レイナの32Rはデフォルトの2.6リッターのままで、そこにメタルガスケットとピストン、コンロッド部分によるバランスチューニングで施しており、そこに北見はバルタイセッティングをオーバーラップ化、面研による圧縮比、ポート研磨等と必要最低限セッティングで加えている。
タービンはニスモ製のタービン2基を搭載、タービンブレードをセラミックからメタル化させる事により高ブースト圧でも扱いやすく、さらに1サイズ小さ目のノーマルハウジング組み合わせており、低回転でもストレスを感じない加速パフォーマンスを手に入れている。
ECUはYMスピードによるワンオフ品で、メインインジェクターを550ccアップ。
実走やシャシダイによる線密なセッティングで効率のよいパワー出力になっている。
冷却面も抜かりはない、圧力損失を防止するためにアルミ製の三層コア式のインタークーラー、アルミ製のパイピングキットも装備し、膨張やパイプ抜け対策も万全である。
●マフラー&ドライブトレイン
マフラーもYMスピードオリジナルのワンオフ品で、等長フロントパイプは70φ、メインパイプ94φ、テールは130φのマフラーで構成、クラッチは高出力化による狙いでトリプルプレート化となっている。
●足回り
足回りはスペシャル車高調キットを組み、フロントとリアのスプリングレートは10kg台に設定されている。
元々、神経質なハンドリングであるR32をより安定性を狙うために弱アンダーに設定されており、ブレンボ製の4POTキャリパーと大径ローターで構成されているが、R32のVスペックは元からブレンボ製であるが、レイナの32Rが標準ベース仕様かVスペックなのかは不明。
●ボディ関係
ダッシュボード貫通式の7点式のロールバーやタワーバーで高剛性にし、あくまでも街乗りで快適に使える車内環境は整っているため、遮音材やアクリルウィンドウ、エアコンレスにするというスパルタンな仕様にしていない。
エアロはニスモ製のダクト付きフロントバンパーであるが、原作初期の頃はインタークーラー部分に小型のフォグランプを取り付けていたが、600馬力までアップされた際に取り外され、さらに純正リアウィングからニスモ製のオプション向けに付けられた小型のダックテールウィングのみにし、さらにガングレーメタリックから夜間での視認性向上を狙うためにクリスタルホワイトへの変更も行われている。
●レイナR32を手掛け、支えている者達…
●山本和彦
アキオのZに出会う前からレイナの32Rを見てきている山本。
初めてレイナが悪魔のZに出会い、それに伴ってパワーアップを手掛けていくのだが、当初…あまりチューニングをしようと考えていなかったが、レイナの負担をかけない最適なマシンセッティングを仕立て、さらにメンテナンスも担当も彼自身が行っている。
このキッカケで、『山本自動車』からかつて全盛期に名乗っていた『YM SPEED(ヤマモトスピード)』に戻し、再びチューニングに力を注ぐ事になる。
●北見 淳
北見が行ったチューニングはオーバーラップ化、ポート研磨等の必要最低限のセッティングのみであるが、やはりエンジンのレスポンスを引き出すという部分は変わりはない。
当初、レイナからチューニングの依頼を受けていたのだが、「女の子が事故ったらさすがに俺でもほとぼり冷める。」と真っ向拒否していた。
ノーマル以上の鋭いレスポンスを引き出すために必要最低限のチューニングを施したが、32R自体が完成度の高さに感心させられており、同時に同乗してはレイナの話し相手になったりと意外に優しい一面を見せている。
●朝倉アキオ
アキオは原作で過去に何度もレイナの32Rを乗ってきており、同時に32Rの性質もかなり知り尽くしている。
マキシシリーズでアキオがレイナの32Rを乗る場面では、マキシ3時代のガレージACE編の65話、大破したACEのR34の代わりとして友也にガレージACEの32Rのデモカー製作する際に参考として乗る場面ぐらいになる。
アキオはこれまでに、達也のブラックバード、ケイの80スープラ、城島のFC型RX-7、荻島のFD型RX-7、ガレージACEの33Rと様々な車種を乗ってきており、意外にオールラウンダーに乗りこなせるという性質を持っているのかもしれない。