172作品目、今回も初心者お断りのレースゲーム二連発…お次は、1996年にセガからリリースした『セガ・ツーリングカーチャンピオンシップ』です…あのセガラリーの開発チームが手掛けたセガラリーの派生版。
DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)を題材にしたレースゲームで、メルセデス・ベンツのCクラス、マルティニカラーのアルファ・ロメオ156 V6Ti、オペル・カリブラの3台と、全日本GT選手権(後のSUPER GT)からは同年参戦していたカストロールカラーのスープラの計4台によるリアル指向の強いレースゲームです。
操作方式はハンドル&アクセル&ブレーキ、シフトレバー、視点切替による構成で、全3戦+エキビジョン戦を含めての計4戦構成ですが、エキビジョンマッチは上位入賞を果たしていないと進む事が不可能。
制限時間内に規定周回数をクリアすると次のコースへ進みますが、制限時間がゼロになるとゲームオーバー、コンティニュー機能はありません。
なお、スープラとメルセデス・ベンツCクラスはFR駆動で、ハンドリング的にかなりピーキーな重視で、オペル・カリブラとアルファ・ロメオ156は4WD駆動で、安定性が非常に高い仕様になっていますが、このゲームの基本走法はグリップ重視であり、アクセル踏んだままハンドルを切ろうとすると一気に回転数が落ち込んでしまう傾向が強い作品です。
前年の95年に大ヒットを受け、ラリーゲームのジンクスを見事拭い去った初代セガラリー…その開発スタッフが勢いで作ったのが、このセガ・ツーリングカーチャンピオンシップ(以下セガツー)…前作はグラベル且つドリフトの爽快感が最大のウリであったのに対し、今作は最高速かつグリップ走法が基本重視という逆の方向性を売りにした作品であるのですが、全体難易度もセガラリーとの難易度を比較すると恐ろしい難易度まで上がってしまったという非常に初心者を突き放してしまったというセガのクルマゲー史上において、とんでもない前科を犯してしまった作品になってしまっています。
制限時間も非常に短く、先程のマシン性能がさらに難易度を上げてしまってるため、セガラリーやリッジレーサー、バトルギアでドリドリが主流のゲーマーさえ、一発で奈落の底へ突き落としてしまうという半端無いゲームに仕上がってしまい、プレイする人を完全に選んでしまったのも無理もありません。
自分が初めてセガツーと出会ったのは、今から15年前のダイエー戸塚店のゲームコーナーに見つけたのが最初で、コイン投入が100円玉ではなく、そのゲームコーナーで使われているメダルでプレイするという特殊な作りになっていたという代物で、セガラリーで採用しているツイン筐体タイプが初めてで、早速プレイしてみたところ…
ウゥゥゥゥゥゥ(クイッ!←アクセル全開ステアをきる)ウゥゥッ…(←失速)
ビーすけ「え? なんで失速!?」
これには唖然しましたね。
バトルギアシリーズや湾岸、リッジシリーズも結構やってきてるユーザーでも、これには本当に驚かされるでしょうけど、普通この手のモノでもゲームに合わせているのに、この作品のみ完全なシミュレーターになっちゃってるという部分が…。
稼動当時は出回っていたのにも関わらず、人気もあまりウケが悪かったため、一部筐体では『LE MANS 24』に改造された筐体もあったが…、そのル・マンも一部仕様で不人気へなっちゃったし。
また本戦前の予選で、上位グリットに入らないと入賞自体も完全に絶望的な状況且つ完走もほぼ無理というメチャクチャさですからね…自分もどんなに頑張っても7番手からのスタートばかり…。
ビーすけ「2戦目で戦線離脱ですから…はは。」
真っ先に「早く消えろ。」というセガからの暗示としても受け取れる。
使用曲は同社の頭文字Dアーケードステージシリーズでも使用しているavexのスーパーユーロビートシリーズが使われているのも最大の魅力で、こちらも頭文字Dではセレクトされていないナンバーが多く、個人的に第3戦目のナンバーが非常に個人的に気に入ってますが、残念ながらタイムアタックモードによるコース選択という部分もできないのも非常に難点だったかなと。
他機種において、サターン版とWindows版が発売されており、サターン版は難易度的に下げられたらしく、さらに実際に参戦していたカストロール・スープラの実車をマシン筐体にしたスペシャル版が、岡山ジョイポリスと東京ジョイポリスで稼動していたが、2007年を以て稼動終了…その後に拓海のトレノ、文太のGCインプレッサ、啓介の雨宮仕様のFDの実車を使っての頭文字D4リミテッドという流れで登場していますね。
セガツーだけは殆どが全滅しているので、見つけるのはかなり困難かなと。
●AC版 セガ・ツーリングカーチャンピオンシップ プレイ動画(アルファロメオ156)
使用マシンはアルファロメオ156…この速さを見てもらえれば分かるかなと。
【おまけ】セガ・ツーリングカーチャンピオンシップ 第3戦BGM
タイトルは『Dont drop me baby』…頭文字Dでも使っても違和感がないですね…こちらはゲームバージョンです。