北見 淳、朝倉晶夫、そして今の朝倉アキオへと受け継がれた 奇跡のスーパーチューンドマシン。
悪魔のZ(S30改 フェアレディZ)
湾岸ミッドナイトにおいて、やはりなくてはならない存在といえばやはり、主人公 朝倉アキオが登場する初代フェアレディZをベースにした『悪魔のZ』。
その圧倒的な速さと存在感は、首都高を走る者達を魅了し、そしてその速さを求めていくうちに色々な事を教えていったドライバーも少なくはない。
幾度のクラッシュを繰り返し、そして復活、そしてクラッシュと繰り返してきたが、そこでこのマシンのスペックを見ていくことにしよう。
★悪魔のZ スペックを検証
【参考文献】講談社刊 KCDX『湾岸ミッドナイト BIG TUNING』から一部参考し、加筆。
●パワーユニット
悪魔のZの基本ユニットは2.8リッター+3.1リッター仕様に拡大された直列6気筒エンジン『L28型』をベースに、インタークーラー方式のツインターボチャージャーを装備、さらに燃料供給システムはECUによるインジェクター方式ではなく、キャブレターによるウェーバー製の45DCD型のツインチョークで、燃料漏れによる対策も施している。
城島編からは、ドライサンプ方式に切替えており、更なる安定性を確保、さらにマコト編にはブラックバードに搭載される予定であったF1タービンをドッキングさせ、最高出力は約600馬力(推定)を発揮、ブーストコントローラーは機械式のセットされているらしい。
●マフラー、ドライブトレイン
マフラーはメインパイプは94φ、テールは102φによるシングルタイプを起用。
クラッチはツインプレート式を採用しているが、これにはアキオのこだわりがあるんだとか…。
一方、ミッションはノーマルミッションを強化したものだが、sじゃふとやギア、ハブリングに表面特殊な加工を施している。
●足回り関係
サスペンションは日産純正のレース専用の車高調キットが組み込まれており、減衰力を専用にして加工され、スプリングはフロントは8kg、リアは6kgで構成されている。
ブレーキシステムはローターはS130型のをベースに、キャリパーは日産の高級車 プレジデント用の4POTを移植しているとのこと。
タイヤとホイールは、旧型の車種において定番であるRSワタナベのEIGHTスポーク、タイヤは圧倒的なパワーによるトラクション確保するためモノを使っているが、恐らくSタイヤという可能性もありえる。
●ボディ強化
ただ固めるだけではなく、ボディの柔軟性も兼ねており、この辺もボディチューンに詳しい高木氏ではないとなせない業。
ガレージACE編ではルーフをカーボンにしており、この辺も軽量化も貢献しており、同時に競技専用のロールゲージも組み込まれている。
●悪魔のZを手掛け、支えている者達…
●北見 淳
誰よりも悪魔のZを知ってる人物といえば、ご存知『地獄のチューナー』と呼ばれた北見である。
北見がまだ19歳の頃、第三京浜の横浜方面へ向かっていた時にこのZに出会ったのが最初だ。
まだ当時、国内では入手できなかったL28型を搭載しており、北見はこのZを譲ってほしいと説得するが、その約束の三日前…そのオーナーは横羽線で還らぬ人となってしまうが、それから10年後に解体所でスクラップ寸前になったあのZを譲り受け、3.1リッターのツインターボ仕様に仕上げ、自身もハンドル操作で大クラッシュした経験もあり、その時の右目の傷はその時の傷である。
●高木優一
Zのボディを極限まで仕上げ、同時に高いボディ剛性と柔軟性をバランスよくできるのが『ボディワークの天才』である高木優一である。
若い頃…板金屋で働き、先輩から『鉄もアルミに生きているんだ。』という事を厳しく教えられ、また北見とは長い付き合いでもあり、色々なチューニングカー製作にあたっても今のアキオと同じぐらい長い付き合いをしている。
アキオが三度目のクラッシュした際に、北見から330キロまで耐えられるボディを依頼され、アキオの為に一緒にボディの修繕し、過労と期限との戦いながら同時に強化を行なっているが、何故か彼はクルマを所有していない。
話によれば…免許も取得せず、また1mでも絶対クルマを運転しないんだとか?
●富永 公
悪魔のZのみならず、ブラックバードや各劇中のチューニングマシンのセッティングを受け持つのがトミナガスピードの富永 公だ。
『ジェッティングの富永』と呼ばれた彼は、ECU関係によるセッティングのエキスパートでもあり、同時にキャブレターセッティングも彼も行なっており、特に黒木編でアキオとレイナによる運転によるパターンからの最適化を作るために、専用のセンサーを取り付けて最適化を作り上げきており、同乗走行でもノートPCから肌身を放さずに細かくチェックしている。
●木村のとっつぁん
悪魔のZに、あの幻といわれたF1用のターボチャージャーのタービンを与えたのがこの木村のとっつぁんだ。
北見とは長くの付き合いの一人であり、昔は船舶関係の仕事をしていた人物。
北見曰く、「性格悪いが、腕は一流のタービン屋だ。」と紹介されるが、「性格悪いのはお前だ。」と鋭いツッコミを入れるほど。
そんな彼が所有していた※F1タービンを15年間待ち望んでおり、アキオのZにF1タービンを装着させる事になる。
マキシ本編ではチョイ役であったが、原作コミックのマコト編ではちゃんと登場している。
※F1タービン
1977年から1988年シーズンのF1世界選手権で、一部チームにおいてターボチャージャーの使用が認可を受けていた1980年後半に入ると、殆どのチームが起用されていたが、88年シーズンを以て使用禁止となった。
代表的なモノで、IHI製のRX6 F1タービンがあり、ボールベアリング式のターボチャージャーで性能と耐久性は非常に高かったが、コスト面が高いというデメリットもあった。