大型4ドアセダンドリ車の定番、マークIIとチェイサーと肩を並べる名車種!
『日産・ローレル25 クラブS タイプX』
サーキットや峠、埠頭でのドリフトスポットにおいて大型セダンの花形といえば、トヨタのチェイサーやマークII、クレスタが一番目を付くが、日産にも4ドアドリフトセダンの定番車種がこのローレルである。
湾岸5DX 7月の追加車種として登場したこのローレルは1997年に登場した8代目
であり、同型式において最後のローレルという形になり、上級グレードのクラブS タイプXはスカイラインGTSやステージアRS-FOURでも採用されている2.5リッターの直列6気筒DOHCのインタークーラーターボ方式の『RB25DET型』を搭載し、当時の国内馬力規制ギリギリの280馬力を発生し、98年のマイナーチェンジでは、日産独自の可変バルブタイミング機構『NEOストレート6』を搭載し、エンジン性能面も向上。
足回りはフロントはマクファーソンストラット方式、リアはマルチリンク式を採用しており、ギアボックスは電子制御方式の4速オートマチックが搭載されているが、マキシではマニュアルモードでの操作は可能になっている。
車名の『ローレル』とは、ギリシャ語で月桂樹の事を指す。
ローレルによるドリフト仕様の誕生は先々代のC33型ローレルから始まり、90年初期のドリフトシーンにおいて、A31型セフィーロとともに峠で人気を博してきており、C35型ローレルもそのドリフトシーンにおいて少数ながらもドリフトで活躍している場面は少しながらも見かけることができる。
ドリフト仕様のC35型ローレルの大半は、電子制御4速オートマから5速マニュアルに換装し、一部ではGT-RのRB26DETTをスワップさせてドリフトを楽しむユーザーも少なくはないが、RB25DETも意外にパワーもあり、スカイラインからのマニュアルギアを丸ごと移植するケースは極めて多い。
オートマでのドリフトはギアが勝手に変わってしまう同時にドリフトの制御がしにくいという難点があり、またギアボックス換装もコスト面も掛かるという意外な一面もあるが、それでも流用ができるという幅の広い部分もあるのだから、この辺も少しながらの魅力はある。
C35によるモータースポーツへの参戦はD1グランプリのみで、春山 隆選手がこのC35型ローレルで豪快なテールパフォーマンスを魅せてくれた。
しかし、C35ローレルもS15シルビアやR34スカイラインGT-Rと共に、国土交通省による排気ガス規制にクリアができず、2002年夏に生産終了となり、その後の2003年にはローレルの事実上の後継車種『ティアナ』にバトンタッチされ、ローレルは1968年の初代から約35年間続いてきた歴史に終止符を打ったのである。