●スマイルプリキュア!
【放送期間】2012年2月~2013年1月
●ストーリー
新学期の春、七色ヶ丘に引っ越してきた星空みゆきは、登校途中にメルヘンランドからやってきた絵本の妖精 キャンディを出会う。
キャンディがみゆき達の世界にやってきた理由は、世界を最悪の結末を陥れようとする皇帝ピエーロが率いるバッドエンド王国の魔の手からメルヘンランドを守るための伝説の戦士 プリキュアを見つけるためにやってきたのが目的。
そこにバッドエンド王国の配下の一人、ウルフルンに狙われてしまうみゆきとキャンディだが…みゆきは伝説の戦士 プリキュアの一人であるキュアハッピーに変身し、バッドエンド王国の配下を見事撃退するのだが、残りの4人のプリキュアを見つけ、そして世界をハッピーエンドを迎えるために戦う事を誓うのであった。
●解説
2012年2月から2013年1月までオンエアされたシリーズ通産9作目、7代目のプリキュアである本シリーズは2007~2009年にオンエアされた『Yes!プリキュア5』シリーズのオマージュをそのまま継承させたシリーズであり、イメージカラーもそのままプリキュア5とほぼ同じであるが、唯一の相違点としてメンバーが全て同学年という部分に統一化された。
これは、2008年にオンエアされた『Yes!プリキュア5GoGo!』での三年生組を卒業させて新メンバーを加入させるという展開を予定していたのだが、上層部から猛反発を買われてしまったという弊害があったためとの思われる。
今作のイメージは『メルヘン』、『絵本の童話の世界』という構図であり、敵陣営やキャンディたちの住む世界がメルヘンという構図であったためという子とも把握できるが、タイトルの『スマイル』にした理由は、前年度に起きた東日本大震災の影響で、「プリキュアを観てくれてる視聴者の為に、笑顔になるようなシリーズを作りたい。」という願いをこめて名付けられたという秘話が残されている。
シリーズ構成は、『それいけ!アンパンマン』やアニメ版『ポケットモンスター』シリーズ等のキッズアニメを手掛けてきた米村正二氏が担当し、シリーズ監督はプリキュアオールスターズDX3を担当を行ってきた大塚隆史監督、キャラクターデザイナーはこちらもこのシリーズメンバーの初代作『Yes!プリキュア5』シリーズを手掛けてきた川村敏江氏が担当している。
なお、このシリーズのみ追加戦士によるメンバー追加は一切ない。
●物語のノリと展開も歴代シリーズで唯一のドタバタ展開、過去のプリキュアシリーズによるセルフパロディ。
スマプリの最大の魅力ともいえるのが、メインキャラクターや敵キャラクターも意外にノリのよいキャラが非常に多く、物語も意外にギャグテイストなエピソードも非常に多かった事も有名であるが、なかでも20代以上でないと分かりづらい往年のパロディも随所に散らばっており、特に8話のマジョリーナのアイテム紹介のシーンは往年のTVCMのパロディから持ってきたという部分に関しては、非常にマニアック過ぎるネタもあった。
キャラクターの人気も非常に良かったため、これまでグッズ化されることもなかった敵陣営もグッズ化され、アニメ専門店のアニメイトでは普通に販売していたという今のプリキュアシリーズでは考えられないほどであったが、このスマプリも大きいお友達からも絶大な人気の支持を得た。
●日曜朝8時半アニメとは思えない程のプリキュアシリーズ屈指の作画クオリティ。
川村氏によるキャラクターデザインによる高いクオリティは、本編でもこれでもかと言わんばかりの高い作画レベルを魅せられた事でも有名で、特に13話の京都の修学旅行によるエピソードの大凶を引いた時のみゆきの顔アングルは日曜朝のアニメとは思えない程の強烈なインパクトを与え、多くの視聴者を驚愕させた事も非常に有名で現在も語り草となっている。
次に23話の時の絶望ピース(画像下)も、UHF局の深夜系のシリアスアニメに近いレベルであった。
●主役を差し置いて、人気株急上昇させたキュアピースの『ぴかりんじゃんけん』。
スマプリで更なる人気を作り上げた伝説といえば、このキュアピースによる『ぴかりんじゃんけん』である。
変身する度にじゃんけんの手をランダムで変えており、放送当時は「次は何を出してくるのか?」と視聴者のハートを大きく鷲づかみをさせ、同じ曜日で夕方6時半からフジテレビ系列でオンエアしている長寿アニメ『サザエさん』のラストの次回予告のじゃんけんと比較し、『日曜じゃんけん戦争』と呼ぶファンも少なからずいた事は結構いたようだ。
●さらなる強烈な印象を与えた ハッピーロボとコドモニナール。
スマプリを観ていたファンの中で、最も「スマプリで最も強烈なインパクトを残したエピソードといえば?」と多くの人が語ればこの35話である。
マジョリーナが作ったアイテムでロボ化したハッピー、それをやよい達が操るというプリキュアシリーズでは異色中の異色を放つというエピソードで、原画パートであの『メガゾーン23』や『ガンダムビルトファイターズ』でも活躍中の大張正己氏も参加させたという話題は、プリキュアファンのみならずロボットアニメファンからも大きな話題を作り上げた。
同じ後半エピソードで38話のコドモニナール回もファンからも一番人気の高かったエピソードでもあり、この放送直後にこのコドモニナールになったスマプリ陣営によるグッズも少数的にラインナップされた事もあり、この辺もプリキュアバブルのピークを達していた事もいうまでもない。
●人気は国内にとどまらず、海外へ…。
日本での放送終了後、スマプリの人気は海外でも評価が良かったため、後に韓国や台湾によるアジア圏でも評判が良く、この辺もプリキュアによる海外展開も非常に軌道にノリにのっていた時期で、アジア圏のみならず、ついに北米にも進出を果たしており、『グリッターフォース』という海外タイトル名で北米圏でもオンエアされた事は日本のプリキュアファンや海外のプリキュアファンの間も非常に広まっていった。
●スマプリの隠れた人気ママキャラ『星空育代』と『黄瀬ちはる』。
数多くのプリキュアシリーズに多くの母親キャラは登場しているが、そんなスマプリで最も人気が高かったのが、このみゆきの母親 星空育代とやよいの母 黄瀬ちはるのお二人で、プリキュアシリーズの母親で最も若い設定であったためか、多くのファンを獲得してしまったという人気キャラを差し置いての人気を獲得。
特に育代さん人気は放送終了まで人気を獲得、エンスカイのキャラポスコレクションでもみゆきと育代による親子コンビのポスターも作ってしまったのももはや伝説になってしまった。
同人誌即売会でも、育代&ちはる本やファンサイトでもお二人によるイラストも数点アップされたぐらいである。
●歴代プリキュアシリーズ劇場版 通産累計動員数10,000,000人突破
スマプリによるレジェンドはこれだけではなく、2005年の劇場版MHが公開されてから、2012年公開された劇場版スマプリで累計動員数10,000,000人突破を果たすという大記録を作り上げ、また興行ランキングでも初回上映で首位を獲得しており、この記録は現在の劇場版プリキュアシリーズでも成せておらず、スマプリが完全に大金星を取ったのはいうまでもない。
●スタッフ
●企画
西出将之(ABC)
三宅将典(ADK)
清水慎治
西出将之(ABC)
三宅将典(ADK)
清水慎治
●シリーズ構成
米村正二
(代表作:それいけ!アンパンマン、アニメ版ポケットモンスター、仮面ライダーカブト)
●キャラクターデザイン
川村敏江
(代表作:Yes!プリキュア5シリーズ)
川村敏江
(代表作:Yes!プリキュア5シリーズ)
●美術デザイン
増田竜太郎
増田竜太郎
●色彩設計
佐久間ヨシ子
佐久間ヨシ子
●編集
麻生芳弘
麻生芳弘
●音楽
高梨康治
高梨康治
●最近の再放送による動向…(2017年1月現在)
現時点によるスマプリの再放送で、BSデジタル局であるBS11がオンエアしていたが、各地方局による再放送では現在放映局が1局も存在していないが、地方局で近年放送されていたのは北関東エリアのみで、群馬県の群馬テレビ、埼玉県のテレ玉ことテレビ埼玉でもオンエアされ、南関東エリアでは2013年に東京MXテレビ、神奈川県のtvkことテレビ神奈川で最速オンエアされた経緯がある。
しかし、こちらも再放送による機会もめっきり減っているのも事実である。
●総評
梅澤プリキュアシリーズでハトプリに続いて人気株を治めることができ、2012年人気アニメの代表の顔となったスマプリ。
このシリーズを以て梅澤Pは退任となり、次の柴田Pへバトンを託す事になるのだが、柴田P以降と今日のプリキュアシリーズの人気は非常に人気が急落しているため、尚且つホストスマプリとして超える作品は出てきていなかったのは大変残念な限りと思われがちであるが、子供達の趣味の多様化が大きく影響を及ぼしているのはいうまでもない。
スマプリの物語り全体的に非常に悪くはないのだが、しかし過去のプリキュアシリーズによるパロディとネタの流用ばかりが目立ち、終盤の物語の展開がオリジナリティが弱すぎるという部分に指摘されてしまった悪い側面もあったが、2年後にオンエアされたハピネスチャージプリキュア!と比較すれば、まだ作品としては良かった方でもあり、人気も高かった事である。
しかし、翌年のドキドキ!プリキュアからファンの人気の減少のスピードはより一層加速させてしまい、一部のブログでも「スマプリは楽しかったが、以降のシリーズはあまり面白味が弱い。」という一言で、一気にファンの減少させてしまっており、翌年以降…キャラクターデザイナーである川村敏江氏も東映アニメーションから他のアニメ製作会社へ移ってしまい、川村氏によるプリキュアシリーズの復活は現状難しい状況になりつつあるが、ホスト川村を超えるプリキュアシリーズが登場する事を祈るばかりである。