147作品目、今回は1991年にビスコからアーケード向けにリリースしたWRC(世界ラリー選手権)を題材にした見下ろし型全方向スクロールレーシングゲーム『ドリフトアウト』を紹介したいと思います…WRCと聞けばセガラリーのイメージが強い人もいらっしゃる方も多いですが、この時もWRC作品がありました。
世界16カ国で様々な悪路や舗装路をクローズしてタイムの限界を競い合うWRC、そんなWRCをビスコがアーケードに送り込んだのがこのドリフトアウトであります。
操作方式は8方向レバー+2ボタン方式で、アクセル&ブレーキを駆使しながら、各SS区間を走り抜くという内容は、以前紹介したADKのスラッシュラリーと似通った部分があり、各SS区間を制限時間内に通過できないとゲームオーバー、またタイムがゼロになるとマイナス1秒としてロスタイムまで計測されるため、ロスタイムで通過してもゲームオーバーとなります。
参戦マシンは1991年当時に参戦していた車種が多く、一世代までスバル・インプレッサや三菱ランエボで猛威を奮ったマシンではなく、ギャランVR-4やレガシィRS、トヨタ・セリカGT-FOURの160系、今では珍しいマツダはファミリア4WDターボ、フォードはシエラRS、BMWはM3と今のWRCではピンとこないマシンばかりですが、当時のWRCでは大活躍していたマシンでもありました。
ラリーゲームの名作といえるセガのセガラリーシリーズが登場する4年前…まだこの時もラリーを題材にしたレースゲームは絶対売れないというジンクスが未だにつきまとっていた時にビスコが放った作品。
私も小学生時代…今亡き本郷台の玩具屋のポニー筐体でプレイした記憶があり、最近ではエミュ筐体でもプレイしたことがある作品ですが、制限時間が厳しいの全方向とも動くため、マシンの動きにかなりクセの強さが大きかった名作で、SS1さえもクリアできなかったというかなり苦い作品だったりします。
ただ、この初代ドリフトアウトが登場したまだ当時は日本においてのWRCの認知度が等しかった時代で、本格的にWRC人気を獲得したのが90年中期のセガラリーやインプレッサWRX-STiバージョンやランサーエボリューションの発売で知られるようになり、同時にスバルがインプレッサでWRC3連覇達成という部分から徐々に人気を獲得、そして2003年に日本でもWRCが『ラリージャパン』として開催されてから一気に知名度が上がった頃でしたからね。
それから3年後、1994年に続編『ドリフトアウト'94』として再び登場し、この頃からランエボやインプレッサ、カストロールカラーのセリカGT-FOURが登場しましたが、この作品もかなりタイム制限が厳しかったですし、クォータービュー方式に切り替わったのですが、相変わらずのクセの強い操作性は相変わらずであったため、エミュ筐体でプレイしてもやはり1面すらクリアできなかったですね。(笑)
この操作方式に影響を受けたのが…。
ギャルズパニックでお馴染みのカネコからリリースした『全日本GT選手権』シリーズ…。
初登場はSFCですが、後にPS版では『改』として登場したが、MaxRevでは3D作品になっちゃいましたけど、クラシックカーによる1000マイルラリーを題材にした『グレート1000マイルラリー』も登場してましたからね。
話は再びドリフトアウトに戻しますが、94が登場した2年後にビスコがネオジオの作品にも手掛け、シリーズ最後の最後なったのがこのNEOドリフトアウトで、このシリーズを以てビスコのドリフトアウトシリーズは幕を下ろしたという感じですが、実は唯一…家庭用もちゃっかり出していました。
丁度、ドリフトアウト'94を出した同じ年にSFCにて、スーパードリフトアウトを発売されていました。
94みたいにクォータービューではないものの、初代の画面構成をそのまま受け継いだ形になりますが、家庭用に併せた難易度なのでやりやすいといっちゃやりやすいですね。
難易度調節が可能になっており、難易度によって速度のリミッターが掛かっているのでクリアしやすいといえばクリアしやすいのですが…
エディットコースでの使用マシンが、ヴィヴィオRX-Rオンリーという罠。
らき☆すたのゆい姉さんの愛車でもあるヴィヴィオを突っ走るのですが、あまり面白さ的に半減しちゃってるという部分にはやや期待ハズレ感が強かった作品だったかなと思いますし、一時期…SFC版だけ全コースとも制覇したことはあります。
歴代のドリフトアウトシリーズですが、まず初代と94は意外にエミュでの稼働率も低いため、意外に見つけるのは非常に困難かなと思います。
NEOは若干ある傾向は強いかなと思いますが、これもエミュ筐体よっては有無が大きく分かれるとこ。
スーパードリフトアウトも中古市場的に非常に入手的に難しいかもしれませんが、WRCが大好きな方なら是非とも購入することをオススメしますよ。
●ネオジオMVS版『NEOドリフトアウト』 プレイ動画
車種は205セリカGT-FOUR…。
そういや、このゲームが登場した前年、セリカがリストリクターによる規定違反を受けてしまってトヨタが参戦資格を失ってしまったという苦い過去があり、98年に復活した時はカローラWRCにバトンタッチされたというオチが…。
みゆき「それでも頑張っちゃうのが、セリカGT-FOURのいいところ!」
…いや、バトルギアでもかなり少数的だったし、かなり扱いの悪いクルマだったんだぜ、みゆきち。